合併報道から1年にあたり 

  あの日から今日でちょうど1年が経ちました。今思えば、この1年の間にあまりに多くの出来事があり過ぎて、時の流れが短くも長くも感じられて何とも不思議な気持ちになります。早朝に伝わってきた突然のニュースに我々は言葉を失い、言い様のない深い悲しみと怒りを我々に与えました。そこから今までに例のない規模で、ファンレベルで合併反対の動きが起こりましたが、最終的には合併は強行されました。

 今振り返って、プロ野球は1年前と一体何が変わったのでしょうか? 「改革」の名の下に新しいことが行われてはいます。例えば交流戦もそうですが、あくまで一時的な効果を生むに過ぎません。それよりも、本質的問題に対してどれだけ「改革」が行われているのでしょう? 本質的問題から目をそらしても何もなりません。応急処置ではない「改革」がどれだけ議論されているのか、個人的にはあまり伝わってきていないように感じます。「ファンサービス」という言葉が盛んに使われても、それが表面的なものに終わっていたのでは意味がないでしょう。

 私は昨年の球団合併を忘れることは絶対にありません。今年はまだ一度も球場に行って野球の試合を見ていませんし、特定の球団を応援する気はありません。だからと言って感傷に浸るのではなく、プロ野球における「ファン」の役割として、一人一人がプロ野球のあり方をしっかりと見つめ、考える事を放棄することはしないつもりでいます。そしてこれは「ファン」全員に課せられた問題なのではないかと思っています。未だファンの力は無力に等しい状態であることは間違いないですが、一人一人の考え方が少しずつでも変わればそれが大きな力になることは、昨年ある程度証明されました。そのために出来ることは何かを少しでも考えられたら、そう思います。

2005年6月13日 プロ野球・チーム存続を訴える会 代表 新熊康助   



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