2004年6月13日、大阪近鉄バファローズとオリックスブルウェーブの「合併」が発表されたことは、日本のプロ野球に大きな衝撃を与えました。球団を売却するのではなく、なぜ「合併」するのか、かねてから噂されていた「1リーグ化」への動きとあいまって、私達はファンとしてこれを止めないといけないとの思いから、「バファローズ・ブルーウェーブのチーム存続を訴える会」を設立し、署名活動を始めました。
 
 当初は数人で始まったこの活動は次第に大きくなり、世論は確実に合併反対を訴えていく中、各球場等で集めた署名は最終的には40万人にも上りました。私達はそれを労使交渉を行う選手会に託しました。選手会は1度はストを行ったものの、その後新規球団の加入を認めるという内容のもとに経営者側と妥結し、結局両球団の合併は覆ることはありませんでした。そして、元々バファローズを買収することを表明していたIT企業のライブドアと、後から参入を表明した楽天が、仙台を本拠地としてプロ野球への参入を巡って審査を受けることになり、11月2日、楽天が加入を認められ、ひとまず問題は一旦解決したように見えます。

 しかし、これで本当に問題が根本的に解決したと言えるのでしょうか?

 新規球団の参入が認められたとは言え、「合併」が行われたというのは動かしようのない事実です。その結果、チームの歴史がそこで終わり、そして両球団のファンは切り捨てられたのも厳然たる事実です。球団存続のために40万人以上集まったファンの声は、結局プロ野球界には届かなかった、ということに他なりません。そして、プロ野球に存在する根本的な問題は全く解決されてはいません。
 
そもそも、なぜ売却ではなく「合併」しなければならないのか?
球団の経営状態は一体どうなっているのか?
もし経営状態が悪いのなら、どこにその原因と責任があるのか?
それを解決するためにはどのような方策が必要なのか?
そもそもプロ野球は一体誰のものなのか?

 今回私達が集めた40万人の署名によって、球団合併を止める事は結果的には叶いませんでしたが、さりとてこの声が全く意味のないものであったというわけではありません。日本のプロ野球において、これ程ファンの声が大きく集まったのは初めてのことではないでしょうか。それは、日本のプロ野球に対し問題意識を持っている人がこれ程多いということに他なりません。それを私達ファンの立場からいかに訴えていけばよいのか、少しずつでも何かプロ野球のために出来ることはないのか…? 野球に限らず、プロスポーツは経営者と選手だけでは成立しません。ファンがいないプロスポーツは存在しません。しかしプロ野球はこれまでファンの声をおざなりにしてきたことは事実ですし、ファンの意識自体もその事実を追認することしかして来ていませんでした。
 私達はファンの立場から今回の球団合併問題への反省に立ち、プロ野球の問題点を洗い出し、それに対して何らかのアプローチを行っていくことで、プロ野球に存在する問題を認識し、意識を喚起していこうと思っています。そして少しずつでもプロ野球があるべき姿に近づいていくための一助となれればと思っています 。

プロ野球・チーム存続を訴える会 代表 新熊康助   



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